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会社への手紙4 [フィリピン]

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家の裏のヤシの木

Nata de coco
1993-10-15

日本ではNata de coco(寒天より歯ごたえのあるもの)のフルーツサラダがヒットしていると聞いているので今回のテーマはNata de cocoです。

僕の配属先が先日マニラの物産展でNata de cocoのオーダーを受け今その対応でバタバタしています。こちらでは1本350g入りで150円位ですので高価なデザートです。食べ方はそのままか、ハロハロ(フィリピンのカキ氷)によく入ってます。JICA専門家の家では日本風?にパパイヤ、パイナップル、バナナを入れココナツミルクと砂糖で味付けをしたものを食べました。奥さんの話しではイロイロ市のマーケットではナタデココは品薄だそうです。しかしナタとは何か知らない人が多いので、下記に説明します。現地の人も知りません。

        The Manufactur of Nata
        APPLIED NUTRITION AND TECHNOLOGY
        発行所 REX Book Store
        著者 Dr.Jesse D.Dagoon(West Visaya Univ. 教授)

ナタは厚くぬるぬるした粘液質の膜で砂糖と酢酸溶液を含有している表面にできる。その構成は普通の酢の作り方であり、実際ナタはそれ自身種酢である。
ナタはスペイン語のnadarその意味は泳ぐから由来する。フィリピンにおいてそれはミルクの表面に浮いている厚いバター油をさす。
ナタの組織はデキストリン(本当はセルロース)生成バクテリアLeuconostoc mesenteroides(本当はAcetobacter xylinum)により作りだされる。それは砂糖の中心にいくつかのネバネバしたトラブルが起こる原因と同じバクテリアである。その微生物は有益であり、危害を与える両面性がある。その同じバクテリアの生産したデキストリンは血漿の代用として使われている。
ナタ工業生産はまだ十分に探求されていない。なぜなら食用のナタ生産はわずかな人しか実際に知らない。しかしそれは家内生産が可能である。注目する点はナタ生産はコマーシャルレベルではラグナ州パグサンハンとケソン州のいくつかの町だけである。だが、何人かの外国人が持っている工業団地では今、メトロマニラの近郊でいくつかの食品工業が始まろうとしている。華僑はまだナタ工業生産に権力を持つ。簡単な工程は家庭と学校の栄養実験室か家庭商業クラスで可能である。校長は格好の実験室をより大きな食品団地に適用できる。
以下に例をあげると、ナタデココはココナッツミルクから生産される。それはこの国の原料でも適用できる。
ココナッツミルクからナタデココの作り方(1例として)
材料:熟したココナッツ1個、グラニュー糖1/2cup、氷酢酸大さじ10、ナタスターターか種酢3~4cup
*注 フィリピンでは1cup=236.6cc(200ccではありません)、1tbs(大さじ)=14.9cc、1tsp(小さじ)=4・9cc
生産の細かい点
1.熟したココナッツ1個から水により抽出したクリームを最初に準備する。
2.トータルで16cupになるよう水を加える。
3.ふるいに掛けた砂糖1/2cup、氷酢酸1/2cupと酵母スターターをよくかき混ぜる。
4.殺菌した広口ビンか耐腐食性のボウルに分ける。
5.ゴムバンドかひもで2枚かさねの汚れていない紙でしばる。
6.約15日間、混ぜたものを涼暗なじゃまにならないとこに置く。
収穫は15日後である。この時ナタはよい形となっている。収穫後の溶液はすてず後のためスターターとして使う。
ナタを立方体に約1/2から3/4インチに切る。酸っぱい臭いが取れるまでカットナタを2・3日水につけ毎日2・3回水を替える。その後水を替え約1時間臭いが取れるまでボイルする。臭いが無くなったら水気を取り砂糖をナタ1cupに砂糖1cupの割合で加える。そして約1時間加熱し別の日のため取っておく。その時は食用色素を加えることもできる。
次の日ナタが半透明に変わるまで再び適度な火でボイルし火が通ったことを確認する。フレーバーはこの時加える。フレーバーナタは簡単な工程である。最後の工程中望みのフルーツジュースをボイル中のナタに加える。この方法は他のフレーバーでも同様である。
後の問題としてナタの組織が薄いか不活発の時、これは主として不餓死のバクテリアが混ざっているからである。特にココナッツミルク以外の他の原料を使う時、この場合ココナッツウオーターはナタ生成の微生物に必要な養分が含有しているのでそれを加える。もしこの救済的な対策が効果のないときは、ココナッツスキムミルクの工程に戻る。
*15日後の収穫は硬いナタ、9日後は柔らかいナタができる。

私の配属先では使用済みのビンを再利用しています。(5円/1本)。ちなみに新品は30.20円/1本です。Manpowerのあまっている国では当然中古品が安くつきます。
ビン殺菌の意味を十分理解していないので今まで安息香酸Naを使用しています。日本のバイヤーからは糖濃度を50%→25%にしたものと安息香酸Naの無いものを要望されているので配合を変えて作る予定です。       以上

P.S.フィリピンからの研修生は顔を見せたでしょうか?ナタデココの話しでも聞いて見てください。
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