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フィリピンのこと4 [フィリピン]

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火山灰流の説明を受ける高校生

第3回新潟県高校生国際協力体験視察の旅報告書から
”夢の続きが見たいから”('98/3/19~26)

なごりおしい帰りの上越新幹線での高校生の顔を思い出しながら、事前研修で写した写真を見ていた。南国の強い日差しとピナツボ山の火山灰からの照り返しにさらされた日焼けのせいか、それぞれの飾り気のない顔は以前よりも生き生きして自信を持てたように見えた。感受性の高い高校時代に本やビデオであたえられたものでなく、自らすすんで計4回の事前研修と視察の旅に参加し、学んだ開発途上国への国際協力の体験が、今後の彼らの人生観にどのように影響し役立つのか楽しみである。そしてなによりも皆がまた行きたいと言い、特別参加の協力もあってフィリピンをすきになってくれたのは私にとってたいへん嬉しいことであり引率してよかったと思う。

ただ、短い期間のせいもあるがまだほんの一部のフィリピンを旅行者として特別の立場でしか見ていない。我々とそこに生活している人々では当然物事の見方が違うし、また物事の見せ方も違いこちらの予想外の出来事がある。日中は暑いからと植林の時間をフィリピンの人たちは気を使って早朝に変更してくれたのに準備が整っていない。我々が集合時間に遅れそうになってもホームステイ先の家族には焦ってもらえない。逆に彼らから見れば日本人は勤勉に見えるだろう。異文化の感覚が少しは分かってもらえただろうか。

快適なエアコンバスからただ眺めるのどかそうな田園風景、同じ稲作文化を持つアジアの国、雨さえ降れば3期作も可能な豊かな土地。ところが一歩バスから外に足を踏み出し5分(ハイウェイしか走らないと言っていたバスの運転手さん、奥まで乗り入れてありがとう)も歩けば、乾いた風に飛ばされた火山灰が目に入り、体中がほこりだらけになる。普通のパッケージツアーではクレームになるだろう。そんな環境の中、青年海外協力隊の協力を引き受け、カラバオ(水牛)の人口受精を貧しい農家の人達が理解してくれ、生きがいを持ち彼らの手で成功させようとしているのは仕合せそうに見え感動を覚えた。低所得者の安定的な収入確保と教育の向上、私は今の生活をもとに何が出来るか自問している。今回参加した高校生たちにも、自分の将来を豊かにするため、また平和な世界を作ることに一歩踏み出してほしい。2年に一回の新潟県高校生体験視察の旅、高校生の皆はもう行けないと思っていないだろうか。実は青年海外協力隊OB,OGとして引率すれば何回でも参加できるのです。私たちの感動も味わってみたらどうですか。(2年後、大学生になったT.Iさんんがミクロネシアへ特別参加してます。)

帰国後、大学時代の先生と会い視察の話をした。UPロバニョス大学(フィリピンの東大)にも何回か行っているのでフィリピンのことはよく理解している。先生と話した結果は「不便なことを豊かと思う時代でなければならない」生産を向上するため休み無く働きGDPを高めるのでなく、自然と調和し地球を大切にすることがこれからの豊かさだと。
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